外断熱工法とは、建物の外側に断熱材を施す住まいの工法のことです。つまり、家全体を躯体の外側から断熱材で包むことによって、熱の出入りを遮断し、室内環境を安定させる工法です。この方法には、断熱効果の向上や省エネルギー効果が期待できるため、多くの家庭で採用されています。また、外側に断熱材を施すことで、結露が発生しにくくなり、アレルギーの原因とも言われているカビやダニの発生防止にも効果があります。特に外断熱工法は、高気密高断熱住宅に適しており、持続的なエネルギー効率を求める住宅にも有効です。
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断熱をする方法には、外断熱工法と内断熱工法(充填断熱工法)があります。断熱を行うには、特徴を知ったうえで適した方法を選択する必要があります。外断熱工法について、どのような特徴があるのかを具体的に見ていきましょう。
「外断熱」は、ヨーロッパを中心に発展してきた工法です。特に、ドイツやスイスなどの寒冷地では、住宅の省エネルギー対策として長い間採用されてきました。日本においても、近年、省エネルギー基準の強化や環境意識の高まりを受け、外断熱に注目が集まっています。平成14年度の省エネルギー基準により、外断熱材の厚みを薄くすることができる規定もあり、普及が進んでいます。外断熱は、高い断熱性能とともに、結露防止や構造材の保護にも寄与するため、住宅の資産価値を長期にわたって保持する手段としても評価されています。
外断熱は、建物の外側に断熱材を設置することで、外部からの熱の出入りを効果的に遮断します。このため、冬季には建物内部の暖かさを逃がさず、夏季には外部の熱を遮断して涼しい環境を保つことが可能です。その結果、冷暖房のエネルギー消費を削減でき、省エネルギーに大きく貢献します。特に、省エネ基準を満たすための高気密高断熱住宅には外断熱が最適であると言われています。
外断熱は、建物全体を断熱材で包むため、高い気密性を実現しやすくなります。この高気密性が、結露の発生を防ぎ、結果的にカビやダニの発生防止にも役立ちます。湿度が安定しやすくなるため、住まいの快適性が向上し、健康的な室内環境を保つことができます。また、湿度管理が容易になるおかげで、木材などの自然素材を多用した住宅においても、構造材の劣化を防ぐことができます。
外断熱により、建物の外部からの熱や湿度の影響を大幅に減少させることができます。これにより、建物の構造材が温湿度の変動にさらされる機会が減り、耐久性が向上します。建材の腐食防止やカビの発生を防ぐ効果も大きく、長期間にわたり住宅の資産価値を保持することができます。外断熱は、結果的にメンテナンスの頻度を減らす効果もあり、長期的には経済的なメリットも享受できます。
外断熱工法とは、建物の柱や梁などの構造躯体の外側に断熱材を施工する工法を指します。これにより、建物をすっぽりと断熱材で覆うため、魔法瓶のような効果が期待できます。
外断熱の主な役割は、外部からの熱の侵入や内部からの熱の放出を防ぎ、室内の温度を一定に保つことです。また、結露を抑制し、建物の耐久性を高める役割も果たします。
外断熱工法には、様々な施工方法がありますが、一般的には外壁の下地材として断熱材を取り付け、その上から外壁材を施工します。通気層を設けることで、湿気を排出する工夫も施されます。
外断熱工法で使われる断熱材には、発泡プラスチック系断熱材(硬質ウレタンフォーム、押出発泡ポリスチレンフォームなど)やロックウール、グラスウールなどがあります。これらの断熱材は、それぞれ熱伝導率や吸湿性、耐久性などに特徴があります。
RC(鉄筋コンクリート)住宅における外断熱工法は、コンクリート躯体の外側に断熱材を取り付けるのが一般的です。これにより、コンクリートの蓄熱性を活かしつつ、外気の温度変化の影響を受けにくくすることができます。
木造住宅や鉄骨造住宅における外断熱工法は、「外張り断熱工法」とも呼ばれます。柱や梁などの構造材の外側に断熱材を隙間なく張ることで、建物全体を高い断熱性能で覆います。

外断熱と内断熱はどちらも断熱という同じ役割を持ちますが、それぞれに大きな違いがあります。外断熱と内断熱の違いを詳しく説明します。
内断熱は建物の柱と柱の間に断熱材を配置する方法です。断熱材としてはグラスウール、セルロースファイバー、ウレタンボードなどが使われ、選択肢が広いのが特徴です。この工法は比較的簡単に施工ができるため、コストが低く抑えられるメリットがあります。しかし、断熱効果が外断熱に比べて劣るため、冷暖房効率が低下する可能性があります。また、細部に隙間ができやすく、この隙間が冷暖房の効果を減じることがあるため、注意が必要です。
外断熱は建物の躯体の外側から断熱材で包む工法で、高い断熱性と気密性を誇ります。一方、内断熱は柱と柱の間に断熱材を配置し、施工が容易でコストも低めです。しかし、断熱性や気密性等を考慮した際に、内断熱は特に寒冷地での使用が推奨されていないことがあり、施工後の冷暖房効率や結露防止の面では外断熱が優れています。施工費用や時間、長期的な断熱効果を考慮して、どちらの工法を採用するかを決めることが重要です。
内断熱の最大のメリットは、初期費用を抑えられる点です。また、施工が比較的容易なため、工期も短く済みやすいという特徴があります。
内断熱は、柱や梁といった構造材が熱橋(ヒートブリッジ)となりやすく、部分的に断熱性能が低下することがあります。これにより、結露が発生しやすくなるほか、冷暖房効率も外断熱に比べて劣る傾向があります。
外断熱では、主に硬質ウレタンフォームや押出発泡ポリスチレンフォームなどの高性能な発泡プラスチック系断熱材が用いられることが多いです。内断熱では、グラスウールやロックウール、セルロースファイバーなど、比較的安価で施工しやすい繊維系断熱材が主流です。

外断熱と内断熱の違いが分かったところで改めて外断熱のメリットとデメリットをまとめます。
建物全体を外側から断熱材で覆うため、外部の熱の影響を受けにくく、一年を通して安定した室内温度を保つことができます。これにより、冷暖房の使用量を大幅に削減できます。
外断熱工法は、断熱材を構造躯体の外側に連続して施工するため、隙間が生じにくく、高い気密性を確保できます。高い気密性は、計画的な換気を可能にし、快適な室内環境を維持する上で重要です。
断熱材が躯体をすっぽり覆うことで、壁内結露や表面結露の発生を大幅に抑制できます。結露はカビやダニの原因となるだけでなく、建物の劣化を早めるため、結露防止は建物の長寿命化に貢献します。
内断熱では断熱材が充填される柱と柱の間は、外断熱では空間として利用できます。これにより、壁の厚みを有効活用して収納スペースを増やしたり、配管スペースを確保したりすることが可能になります。
外断熱工法は、内断熱工法に比べて断熱材の量や施工手間が増えるため、一般的に初期の建築費用が高くなる傾向があります。ただし、長期的な光熱費の削減効果を考慮すると、費用対効果は高いと言えます。
外断熱では、断熱材の上から外壁材を施工するため、外壁材の固定方法や断熱材と外壁材の間の通気層の確保など、専門的な知識と高い施工品質が求められます。特に屋根部分の断熱は、雨漏りや結露防止のため、より一層の注意が必要です。
高い気密性を実現する外断熱住宅では、計画的な換気が非常に重要です。適切な換気システムを導入しないと、室内の空気がよどみ、健康被害を引き起こす可能性があります。
外断熱工法は、その技術的な難易度やコストの高さから、すべてのハウスメーカーが採用しているわけではありません。外断熱を検討する際は、専門的な知識と実績を持つハウスメーカーを選ぶことが重要です。
RC住宅で外断熱を採用する場合、コンクリート躯体の外側に断熱材を貼るため、一般的にコンクリート打放しの外観を実現することは難しくなります。断熱材の上から別の仕上げ材を施工することになるため、外観デザインに制約が生じる可能性があります。

快適な住まいを実現するためには、間取りやインテリアにこだわるだけではなく、建ててからでは見えない部分にもこだわり、室内の温度環境について考えることが重要です。しかし、いざ家づくりをスタートさせると、間取りやキッチン、バスルームへのこだわりなど、目に見える場所を優先してしまいがちです。そのため、目に見えない断熱材については詳しく知らない人も多いでしょう。断熱をおろそかにしてしまうと、各部屋や廊下の温度差や窓の結露などが生じてしまい、さらに冷暖房の光熱費がかかってしまうという現象が起きます。
そのような現象をなくすためにも家の断熱についても、しっかりと検討しましょう。
外気の温度に左右されにくく、部屋の温度を一定に保ち、住み心地の良い空間をつくり出すことが可能になります。その結果、冷暖房効率を高めることもできます。断熱は、日々の生活を快適にするだけでなく省エネにもなるため、おろそかにしてはいけないことなのです。また、断熱材は他にもいくつかのメリットがあり、たとえば外部の紫外線から建物を守ります。生活の快適さを向上させるだけでなく、建物の劣化も防いでくれるのが断熱材の効果なのです。
外断熱工法では、建物の外周全体を高性能な断熱材で覆います。一般的には、硬質ウレタンフォーム、押出発泡ポリスチレンフォーム、高性能フェノールフォームなどが使用され、その厚みも内断熱に比べて厚めに設定されることが多いです。
外断熱材の上には、外壁材が施工されます。サイディング、塗り壁、タイル、レンガなど、様々な外壁材が選択可能ですが、断熱材の保護と通気性の確保のため、適切な下地処理と通気層の設置が重要です。
外断熱工法は、内装デザインの自由度が高いことも特徴です。柱や梁が壁の中に隠れないため、木の現しやコンクリート打放しのようなデザインも可能です。また、壁の厚みを有効活用して、ニッチや収納スペースを設けることもできます。
窓は、住宅の中で熱の出入りが最も大きい部分の一つです。外断熱住宅では、高い断熱性能を維持するために、高断熱サッシ(樹脂サッシや木製サッシ)とLow-E複層ガラス、またはトリプルガラスの採用が推奨されます。
外断熱工法では、断熱材と外壁材の間に「通気層」を設けることが非常に重要です。この通気層が、壁内部の湿気を排出する役割を果たし、結露やカビの発生を防ぎます。屋根にも軒裏換気や棟換気などを設けて、適切な通気構造とすることが求められます。
現代の外断熱材は、難燃性や不燃性のものが多く、火災に対する安全性は十分に考慮されています。また、シロアリ対策として、防蟻処理を施した断熱材を使用したり、基礎部分に物理的な防蟻シートを設置したりするなど、様々な対策が講じられています。信頼できる施工会社を選ぶことで、これらのリスクは低減できます。
外断熱工法でも、バルコニーや土間を設置することは可能です。ただし、これらの部分の断熱処理を適切に行わないと、そこから熱が逃げたり、結露が発生したりする可能性があります。特にバルコニーの根元や土間と室内の境界部分など、熱橋になりやすい箇所の詳細な断熱計画が重要です。
床下の断熱は、基礎の外側に断熱材を貼る「基礎外断熱」と、床下に断熱材を敷き詰める「床下断熱」の2つの方法があります。外断熱工法では、基礎外断熱が採用されることが多く、これにより床下空間も室内環境に近い温度に保つことができ、ヒートショックのリスク軽減にも貢献します。
外断熱工法だからといって、特別なメンテナンスが頻繁に必要になるわけではありません。しかし、外壁のひび割れやシーリング材の劣化など、外壁材のメンテナンスは通常の住宅と同様に必要です。定期的な点検と適切な時期での補修を行うことで、外断熱の効果を長く維持できます。

近年、外断熱工法にはさまざまな新技術が導入されており、その進化が注目されています。特に、高性能な断熱材の開発や断熱性能を向上させるための特殊なコーティング技術が進展しています。これにより、外断熱の効果をさらに高め、より快適な住環境を提供することが可能になります。また、環境に配慮したエコ素材の使用も進んでおり、持続可能な建築としての価値が高まっています。
また、断熱材の組み合わせや張り方はまちまちですが、各社とも”外断熱”と呼んでいます。
”外断熱”とひとことで言っても、その断熱方法は各社さまざまなので、仕組みをよく理解し選ぶことが必要です。
小林住宅では、屋根から壁面、基礎部分までプラスチック系断熱材で全体を覆う外断熱の家に加え、さらに内側も断熱材を施工することで、より断熱性能、機密性能を追求したダブル断熱の家もご提供しています。
近年、特に注目されている高気密・高断熱住宅の小林住宅の家は、エネルギー効率がさらに向上し、光熱費の削減が可能になります。また、結露やカビの発生を防ぎ、健康的な室内環境を維持することにも寄与します。
こだわりの高性能な注文住宅を建てるなら、やはり細かなところまで柔軟に対応してくれる住宅会社に相談するのがおすすめです。小林住宅では、営業・設計・インテリアコーディネーター・現場監督がチームとなりお客様の住まいをつくるので安心してお任せください。
私たちは、1946年の創業以来、一戸建て注文住宅の専業メーカーとしてお客様と感動や満足を共感できるお家づくりを目指しています。 小林住宅の箕面展示場や中百舌鳥のモデルハウスは、最高レベルの断熱等級「7」をご体感いただけます。まずは、お近くの展示場で小林住宅の家をぜひご体感ください。
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