断熱等級7とは?最新の住宅性能基準を徹底解説

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「断熱性」は、住宅性能の中でも近年、注目が集まっているキーワードのひとつです。そんな断熱性の高さを表す「断熱等級」とはどのような指標なのでしょうか。2022年に新たに制定された等級5・6・7の詳細について解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

断熱等級とは?

 

断熱等級とは、住宅の断熱性能を評価する指標で、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づいて設けられています。これは住宅が外部からの熱の侵入をどれほど防げるかを示すもので、等級が1から7までの7段階に分かれています。数字が大きいほど断熱性能が高いことを示し、最新の等級である断熱等級7が最も高い断熱性能を持っています。

 

 

 

 

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断熱等級の目的

断熱等級の目的は、多岐にわたります。まず第一に、住宅の室内環境を快適に保つことが挙げられます。高性能な断熱材を使用することで、冬場の冷気や夏場の熱気を効率よく遮断し、室内の温度を一定に保つことが可能となります。これにより、エアコンや暖房機器の稼働率を抑え、光熱費の節約にもつながります。また断熱性能が高い住宅は、ヒートショックや熱中症のリスクも軽減されるため、住む人の健康維持にも寄与します。さらに、断熱等級の向上は、カーボンニュートラルの実現に向けた環境保護の観点からも重要です。断熱性能が高い住宅はエネルギー効率が良く、結果として二酸化炭素排出量の削減に貢献します。

 

断熱等級の種類とその違い

断熱等級1から4は、断熱性能の評価基準として長く使用されてきた指標です。断熱等級とは住宅の品質保証の一環として設けられたもので、数字が大きいほど断熱性能が高いことを示します。

 

<断熱等級1>

最も基本的な断熱性能を持ち、冬季でも最低限の断熱効果しか期待できません。

 

<断熱等級2>

等級1に比べてやや向上した断熱性能を持ちますが、現代の高断熱住宅には物足りないレベルです。

 

<断熱等級3>

断熱等級3では、住宅のエネルギー効率がさらに向上します。等級3の住宅は、快適な室温を維持しながらエネルギー消費を抑えることが求められます。

 

<断熱等級4>

断熱等級4は2016年に制定され、現時点ではほとんどの新築住宅で標準となる基準です。等級4の住宅は、高い断熱性能を持ち、室内環境の快適さや光熱費の節約が期待できます。

 

断熱等級5・6・7の新設とその背景

断熱等級5、6、7は2022年に新たに設けられた基準です。これらの等級は、地球温暖化対策やエネルギー効率向上のための取り組みとして追加されました。断熱等級とは単なる住宅の快適性向上だけでなく、カーボンニュートラルの実現にも寄与する重要な指標です。

 

<断熱等級5>

断熱等級5は、更に向上した断熱性能を提供し、強化されたエネルギー効率の基準を満たすよう設計されています。

 

<断熱等級6>

断熱等級6は、等級5をさらに上回る性能を持ち、非常に高い断熱効果を発揮します。

 

<断熱等級7>

最も厳しい基準である断熱等級7は、現在の技術で実現可能な最高の断熱性能を持つ住宅を想定しています。

 

これらの新しい等級は、エネルギー消費の削減やヒートショックのリスクの軽減といった具体的なメリットを提供するとともに、2030年までに温室効果ガス排出量を半減するという国の目標をサポートします。

 

 

 

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断熱性能を左右する「UA値」と「ηAC値」とは?

断熱性能を数値化する上で欠かせないのが「UA値(外皮平均熱貫流率)」と「ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)」です。UA値は室内から外へ逃げる熱量を示し、数値が小さいほど断熱性能が高いことを示します。一方、ηAC値は夏場に室内へ入る日射熱の入りやすさを示し、数値が小さいほど遮熱性が高くなります。

 

地域によって異なる断熱等級の基準値とおすすめの等級

日本は気候が異なるため、全国を1〜8の「地域区分」に分けています。例えば、関西の多くの地域(地域区分6)の場合、断熱等級7を満たすにはUA値0.26以下という非常に厳しい数値が求められます。お住まいの地域によって、目指すべき基準値やおすすめの等級は異なるため注意が必要です。

断熱等級7の基準と性能の高さ

 

等級7は「HEAT20 G3」レベルと同等の最高水準

断熱等級7は、民間団体が提唱する高断熱基準「HEAT20」の最高グレードである「G3」に相当します。これは現在の日本における住宅性能の最高峰であり、世界レベルで見ても極めて高い水準です。

ZEHや他の等級(等級4・5・6)との違いを比較

等級4(義務化基準)や等級5(ZEH基準)と比較すると、等級7のUA値は半分以下に抑えられています。等級6と比較しても、さらに約40%程度の熱損失をカットするため、冬場の壁や床の表面温度が室温とほぼ変わらなくなるほど劇的な性能差があります。

冬の室温はどう変わる?断熱等級6と7の電気代の違い

断熱等級7の家では、冬場に暖房を切っても室温がおおむね15℃を下回らない環境が作れます。電気代に関しては、等級6と比較してもさらに15〜20%程度の削減が期待できる場合があり、長期的な節約効果は非常に大きくなります。

 

 

 

断熱等級7のメリット:快適性と健康・家計への影響

夏は涼しく冬は暖かい、一年中温度差のない暮らしを実現

断熱等級7の住宅は、第一に室内環境の快適さが大幅に向上します。高い断熱性能により、夏は涼しく、冬は暖かい快適な住環境を維持できるため、居住者の健康にも良い影響を与えます。家全体の温度が均一になるため、リビングと廊下の温度差などもなくなり、快適に過ごせます。

ヒートショックや熱中症のリスクを軽減し、家族の健康を守る

冬場の急激な温度変化によるヒートショックや、夏場の室内での熱中症などのリスクが軽減される点も見逃せません。近年では、高断熱住宅への住み替えがアレルギー症状などの改善に寄与するという研究結果も出ています。

大幅な節電・光熱費削減とCO2削減への貢献

高断熱住宅はエネルギー消費を抑えるため、光熱費の節約につながります。電気代高騰への対策として有効なだけでなく、二酸化炭素排出量の削減によりカーボンニュートラルの実現にも大きく貢献できます。

間取りの自由度(吹き抜け等)の向上と高い遮音効果

「冬が寒いから」と敬遠されがちな大きな吹き抜けや大空間の間取りも、等級7なら温度差なく実現可能です。また、厚い断熱材や高性能サッシは外の騒音を遮断する効果も高く、静かな生活環境が守られます。

 

断熱等級7のデメリットと後悔しないための解決策

建築コスト(初期費用)が大幅に高くなる点に注意

高い断熱性能を達成するためには、高品質な断熱材や高性能な窓ガラスなどの使用が必要となり、その分施工コストが上昇します。これを解決するには、光熱費の削減額や将来のメンテナンス費を含めた「生涯コスト」で比較検討することが大切です。

夏場の日射遮蔽(遮熱)対策と適切な換気計画が必須

等級7の家は保温性が高いため、夏場に直射日光を部屋に入れてしまうと熱がこもる「オーバーヒート」が起きやすくなります。アウターシェードの活用など、日射遮蔽対策をセットで考える必要があります。また、高気密・高断熱に合わせた適切な換気システムの設計も重要です。

暖房器具の導入や選び方に制限が出る場合がある

住宅の断熱性能が極めて高いため、一般的なエアコンでは容量が大きすぎる場合があります。また、気密性が高いため、石油ストーブなどの開放型燃焼器具の使用は原則推奨されません。

 

断熱等級7に対応するための技術

 

断熱材の選び方

断熱等級7に対応するためには、適切な断熱材の選定が重要です。断熱材の性能は、主に熱伝導率や厚さによって決まります。高性能グラスウールが一般的ですが、等級7の性能を求めるにはそれだけでは足りません。付加断熱として硬質ウレタンフォームなど外張りに適した断熱材が必要になります。また、その厚みも重要となります。断熱等級とは、住宅の性能を示す指標であり、断熱材の選定が合否の鍵を握ります。

 

窓ガラスの性能向上

断熱等級7に対応するためには、窓ガラスの性能向上も欠かせません。樹脂サッシトリプルガラスにLow-Eガラス(低放射ガラス)を使用することで、熱の出入りを抑制することができます。また、アルゴンガスなど断熱性能の高いガスをガラスの間に封入することが必要です。窓の性能向上は、断熱等級とは切っても切れない関係にあります。

 

施工時のポイント

断熱等級7の性能を発揮するためには、適切な施工も重要です。数字による設計上の等級7を実現できたとしても、適切な施工がされていなければ、設計どおりの性能は発揮されません。断熱材の継ぎ目や窓周りの処理等、丁寧な施工により気密性能が高まり、設計どおりの性能へと繋がります。建築中の気密測定にて確認するのもお勧めです。

 

 

 

断熱等級と省エネ性能の関係を理解して家づくりを始めよう!

断熱等級が高い住宅は、省エネ性能だけではなく快適性能にも優れています。例えば、断熱性能が高い住宅では、冷暖房の効率が向上し、結果として光熱費の節約につながります。また、断熱性能により室内の温度が安定し、快適な住環境を提供することで、ヒートショックや熱中症といった健康リスクを軽減する効果もあります。

これまでは、断熱等級4以上の住宅は、省エネ性能が高いとされており、2025年以降は新築住宅においてこの等級以上が義務化(最低基準)されることとなっています。これは、将来的なカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの一環として、省エネ性能の向上が求められているからです。ただし、この義務化基準も2030年には断熱等級5に引き上げられることがすでに決まっており、今後はさらに高い断熱性能が求められると考えられます。

断熱等級が高い住宅を建設するには、施工技術の向上やコストの増加が必要となる場合があります。そのため、施工時の技術や材料の選び方がとても重要です。しかし、高い断熱性能を持つ住宅は、長期的にはエネルギーコストの削減や居住環境の快適さから得られるメリットが大きく、総合的には非常に有益だと考えられています。

日本政府は、省エネ住宅の普及を推進するため断熱等級に関連する政策を強化しています。特に、断熱等級5、6、7が新設された2022年以降、多くの新築住宅において高い断熱性能が求められるようになりました。このような政策の動向は、住宅の断熱性能向上に対する意識をさらに高めることとなっていきます。

 

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断熱等級7に関するよくある質問(Q&A)

Q1. 断熱等級7の家は本当に快適ですか?

A. はい、圧倒的な快適さを実感できます。最高水準の断熱性能により、外気温の影響をほとんど受けないため、冬場の冷え込みや夏場の寝苦しさが劇的に改善されます。特に冬場は、暖房のない廊下やトイレでも温度が下がりにくく、家全体の温度差がなくなるため、ヒートショックのリスク軽減や、結露の抑制によるカビ・ダニ防止など、健康面でも大きなメリットがあります。

Q2. 断熱等級7にするには、いくらくらいの費用がかかりますか?

A. 一般的な断熱等級4や5の住宅と比較すると、数百万円単位でのコストアップになるケースが一般的です。これは、窓をトリプルガラスなどの最高級グレードに変更し、壁の断熱材を厚くする「付加断熱」などの特別な部材や高度な施工技術が必要になるためです。ただし、大幅な光熱費の削減効果や、補助金・減税制度の活用、さらには家族の健康維持費の抑制などを考慮すると、数十年単位の「ライフサイクルコスト」では十分に価値のある投資といえます。

Q3. 断熱等級7なら、どの会社に頼んでも同じ性能になりますか?

A. いいえ、依頼する会社選びが非常に重要です。断熱等級7は設計上の計算(UA値)だけでなく、現場での丁寧な施工(気密性能:C値)が伴って初めてその真価を発揮します。どんなに断熱材を厚くしても、隙間が多い家では熱が逃げてしまいます。「全棟で気密測定を実施しているか」「断熱等級7の施工実績があるか」など、確かな技術力と実績を持つハウスメーカーや工務店を選ぶことが、後悔しない家づくりのポイントです。

まとめ

 

高性能な注文住宅の魅力は、その快適さと安心感にあります。注文住宅に求められる性能は、断熱性能だけでなく、気密性能、省エネ性能など、多岐にわたります。これらの性能を高めることで、一年中快適な室温をキープしやすくなり、冷暖房費の節約やヒートショックなどの健康被害の予防にも繋がります。

家づくりにおいては、信頼できるハウスメーカーの選び方や住宅性能表示制度の活用、コストとのバランスが重要なポイントです。

 

こだわりの高性能な注文住宅を建てるなら、やはり細かなところまで柔軟に対応してくれる住宅会社に相談するのがおすすめです。小林住宅では、営業・設計・インテリアコーディネーター・現場監督がチームとなりお客様の住まいをつくるので安心してお任せください。私たちは、1946年の創業以来、一戸建て注文住宅の専業メーカーとしてお客様と感動や満足を共感できるお家づくりを目指しています。

小林住宅の箕面展示場や中百舌鳥のモデルハウスは、最高レベルの断熱等級「7」をご体感いただけます。まずは、お近くの展示場で小林住宅の家をぜひご体感ください。

 

 

 

 

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