注文住宅に中庭を設けることで、明るく開放的な家を実現しやすくなります。住宅が密集する都市部などで隣家が近く、外からの視線が気になる人におすすめです。中庭を設けることで、風通しもよくなり、外から見えないことで防犯上のメリットもあります。しかし、中庭を設けることで、建物が複雑な形になる可能性があり、間取りの取り決めが重要になるほか、中庭のメンテナンスが必要になるといった注意すべき点も少なくありません。そこでこの記事では、注文住宅で中庭を設けることを検討している方に向けて、中庭のメリットやデメリットをはじめ、中庭のある注文住宅を建てる際のポイントを紹介します。
目次
中庭とは、住宅の中心やその周囲に設けられる庭のことを指します。建物の一部として設置されるため、外部から視線が遮られるプライベートな空間として活用できます。中庭にはさまざまな形がありますが、代表的なものとして「コの字型」「ロの字型」「町屋型」が挙げられます。
「コの字型」の中庭は、建物が三方向を囲む形で、中庭の片側が開放的なのが特徴です。一方で、「ロの字型」は建物に四方を完全に囲まれており、外部から完全に切り離されたプライベート空間が実現します。「町屋型」は、細長い敷地の中間部分に中庭を設ける形式で、狭小地などにも適しています。これらの形状は、注文住宅において土地の特性やデザインの希望に合わせて選ばれることが多く、中庭を設ける家は機能性と美観を両立させています。
中庭を作ることで家全体が明るく開放的になるほか、防犯の面などさまざまなメリットがあります。ここでは特に注目したい、中庭のメリットを4つ紹介します。
注文住宅に、中庭を設ける最大のメリットとしてあげられるのが「採光性」と「通気性」の向上です。注文住宅で中庭を採用することで、家の中央部分にも自然光が届きやすくなり、全体的に明るい空間を実現できます。特に「ロの字型」や「コの字型」の中庭を取り入れる場合、窓を多方向に設置できるため、風通しが良くなり、換気効率も上がります。こうした工夫により、湿気や結露への対策にも繋がり、1年を通して快適な室内環境を保つことが可能です。
注文住宅に中庭を備えることで、家全体の防犯性を向上させることができます。外から中庭の様子が見えにくいため、不審者の侵入を防ぎやすくなります。また、注文住宅では中庭周辺に防犯カメラやセンサーライトを設置するなど、細かな工夫を施すことでさらに安全性を高めることも可能です。安心感を得られる点も、中庭の魅力的なメリットの一つと言えます。
中庭は、外部からの視線を遮りながらも開放感を得られる魅力的な空間です。特に「ロの字型」の中庭では、外部から完全に隔離されたプライベート空間が生まれます。このため、外出しなくても庭を眺めながらリラックスしたひとときを過ごせるほか、家族や友人とのバーベキューやガーデニングを安心して楽しむことができます。居心地の良いリラックス空間として、新しいライフスタイルを提供してくれるのが中庭の大きな特徴です。
リビングと中庭をつなげると、外とのつながりが生まれます。さらに、リビングに大開口の窓を設置すると外とのつながりが強調されるため、実際の間取りよりも広々とした空間に見える視覚的効果が期待できる点もメリットです。中庭に植栽をして緑あふれる空間にすれば、自然を身近に感じながら豊かな心で過ごすことができます。
注文住宅に中庭を設ける際は、いくつかのデメリットに注意を払う必要があります。ここではデメリットとその対策を解説します。
狭小地に注文住宅を建てる場合、自ずと限られたスペースの住居となります。狭小住宅では床面積が限られることになるので、中庭を設けると、さらに居住スペースが狭くなるのは避けられません。必要なスペースを少しずつ削った結果、家族にとって必要な居住スペースが確保できず、暮らしてから不便さを感じるケースもでてきてしまいます。中庭の設置を検討する際は、原則居住スペースを優先にして考えましょう。
中庭を取り入れることで、採光性や通気性が確保できるとされていますが、設計や環境によっては湿気や風通しが悪くなる場合もあります。特に、「ロの字型」や四方を囲む形状の中庭では、湿気が溜まりやすいのが問題となります。これにより、風が十分に循環せず、カビが発生する要因につながってきます。
対策としては、適切な換気システムの導入や排水設備の計画が重要となります。また、中庭まわりの植栽に、水はけの良い土を使用することで湿気の原因を軽減できます。さらに、風通しを良くするために建物の各方向に開口部を設置するなど、依頼するハウスメーカーと相談して設計を慎重に進めることがポイントとなります。
中庭を設けることで、家全体の設計が複雑化し、結果として建築コストが上昇する可能性があります。特に注文住宅では、細かなデザインを実現するためにハウスメーカーとの打ち合わせや追加の資材費用がかかることが少なくありません。また、中庭を十分に活用するためには、それなりの広さが必要になるため、土地の選定段階でも制約が生まれることが多くなるので注意が必要です。
これらのデメリットに対する対策は、設計段階から予算を明確にしておき、優先順位をつけた計画を立てることです。また、土地探しでは、中庭と居住面積のバランスを考慮し、適したサイズの敷地を選ぶことが重要です。依頼するハウスメーカーには、事前に希望と予算を伝えることで、無駄のない設計が可能になります。
周辺には純和風建築が多く、その環境に溶け込むように和モダンの要素を外観に取り入れました。1階は白を基調にしたスタイリッシュなLDK。中庭は壁を設けることでプライバシーが守られ、休日にはブランチを楽しんだりアウトドアリビングとして活用できます。家族のパブリックスペースであるリビングには日々のシーンを豊かに彩る確かな品質が息づいています。
中庭を計画する際、土地探しが非常に重要です。中庭のある家を設計する場合、敷地の形や広さがデザインの自由度に大きく影響します。例えば、「コの字型」や「ロの字型」の中庭を採用するには、ある程度の広さが求められますが、都市部の狭小地でも「町屋型」の設計を工夫すれば実現可能です。土地を選ぶ際は、日当たりや周囲の建物との距離、風通しなども考慮することが大切です。また、中庭部分が最適に機能するよう、排水設備やプライバシー確保のための敷地条件も事前に確認しておく必要があります。
注文住宅に中庭を設計に取り入れる際には、家全体のバランスを考慮することが不可欠です。中庭によって採光性や通風を高められる反面、配置を間違えると湿気がこもりやすくなる場合があります。そのため、高低差の管理や風の通り道を念入りに計画することが重要です。加えて、中庭の役割を明確にすることがデザイン成功のカギです。プライバシー確保の場、家族のくつろぎ空間、あるいは趣味を楽しむスペースなど、目的を具体化した上で設計を進めることが重要です。
中庭に植栽やテラスを配置することで、自然と調和した癒しの空間を創り出すことができます。植栽には視覚的な美しさだけでなく、季節の移り変わりを感じられる楽しさや、涼しさを提供する効果もあります。また、テラスを設けることで、中庭をお子さまやペットが遊べる場所として活用したり、家族やゲストと楽しむアウトドアリビングとしても使えます。「コの字型」や「ロの字型」の中庭では、庭全体が見渡せるので、より一体感のあるデザインが可能です。注文住宅なら、自分たちのライフスタイルや好みに合わせた植栽計画やテラス設計が可能になります。
中庭をLDKと連続させる設計にすることで、家の中心に自然光と開放感を取り入れることができます。大きな窓やガラスドアを採用して中庭と室内を視覚的に繋ぐことが、より快適な空間を作るポイントです。このような設計は、家族がどこにいてもお互いの気配を感じやすくなる効果もあります。また、中庭とリビングダイニングを一体的に使うことで、広がりを演出し、パーティーやくつろぎの場として多彩な使い方が可能になります。
中庭のある家では、季節ごとのメンテナンスが重要です。夏場には植栽の剪定を行い、風通しを確保することで快適な環境を維持できます。一方で秋冬になると落ち葉が溜まりやすくなるため、定期的な掃除と排水設備の点検が必要です。また、雨が多い季節には排水トラブルを防ぐために勾配の調整や適切な排水路の確保が求められます。テラスの材質や植栽の種類選びを工夫することで、メンテナンスの手間を軽減することが可能です。注文住宅なら、メンテナンスのしやすさを考慮した設計を取り入れると良いでしょう。
中庭にシェードやパーゴラを設けることで、さらに快適な空間を演出できます。シェードは直射日光を和らげるだけでなく、プライバシー保護のためにも役立ちます。一方、パーゴラは木漏れ日のような明るさを取り入れられるデザイン性の高い構造物で、植物を這わせることで自然の美しさを引き立てる効果があります。これらの工夫により、夏場でも快適な日陰を作り、外でのくつろぎ時間をより楽しめる環境を整えることができます。さらに、中庭をLDKと繋ぐ設計と組み合わせれば、室内外を問わず過ごしやすい空間が実現します。
注文住宅に中庭を設けることで、生活を快適にする機能性はもちろん、日々の暮らしをより豊かにする役割もあります。おしゃれで開放的な中庭は、お子さまの遊び場や家族の休日のリラックスタイムを満喫したいときにも大活躍してくれる空間です。外からの視線も気にならず、プライバシーを守ることができます。リビング続きで大開口の窓を設置すれば、室内に居ながらいつでも空を眺められる空間が手に入るのもメリットです。光にあふれ、心地よい風をもたらす中庭を中心としたプランニングは、ぜひ小林住宅にご相談ください。
小林住宅では、ご契約前から数々の経験のある設計士がお客様の理想をカタチにする間取りプランを作成していますのでご期待ください。私たちは、1946年の創業以来、一戸建て注文住宅の専業メーカーとしてお客様と感動や満足を共感できるお家造りを目指しています。まずは、お近くの展示場で小林住宅の家をぜひご体感ください。
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