注文住宅を購入する際、多くの方が住宅ローンを利用することになります。年収600万円の場合は、いくらまで借りられるか、月々の返済額はいくら位になるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、年収600万円の場合の住宅ローンの借入額や無理なく返済できる金額について解説します。住宅ローンを検討する際の参考にしてください。
目次
年収600万円の場合の住宅ローンの借入限度額は5,450万円が目安となります。金融機関によって内容は異なりますが、住宅ローンの借入限度額は、返済負担率を年収の30〜40%に収めるように設定されるのが一般的です。返済負担率とは、年収のうち年間のローン返済額が占める割合をいいます。
また、金融機関が住宅金融支援機構と提携して扱う全期間固定金利型住宅ローンの「フラット35」を利用した場合の借入可能額は、年収600万円で返済期間35年、融資金利1.85%で5,407万円、月々の返済額は約17.5万円となります。
借入限度額は、あくまで借入可能な上限金額であるため、無理に限度額まで借りてしまうと、返済計画が大変になってしまうこともあります。
年収600万円の手取り収入を約458万円とすると、ボーナスを加味しない場合の手取り額は毎月約38万円となります。限度額まで借りた場合、月々約17.5万円の返済はやや負担が大きいため、上限まで借入れることは、あまりおすすめできません。
住宅ローンの平均的な借入額はどれくらいでしょうか。借入額を決める際には、年収倍率が基準の一つとして取り上げられることがあります。年収倍率とは、物件価格が年収の何倍にあたるかを示した数値で、一般的に5〜8倍程度が適正といわれており、次の式で求められます。
年収倍率 = (物件価格) ÷ (申込者の年収)
年収600万円とすると、物件価格は3,000万〜4,800万円となります。住宅金融支援機構の「2022年度 フラット35利用者調査」によると、物件タイプ別の年収倍率は以下の通りです。
種別 | 年収倍率 |
土地付き注文住宅 | 7.7倍 |
注文住宅 | 6.9倍 |
建売住宅 | 6.9倍 |
マンション | 7.2倍 |
中古戸建て | 5.7倍 |
中古マンション | 5.9倍 |
土地付注文住宅は土地代が入るため、4,000万円を超え、借入額は高額になるため年収倍率も高くなります。
年収600万円で計算すると、新築住宅で3,900〜4,500万円、中古住宅で3,000〜3,600万円です。月換算すると新築住宅で約12〜約13.8万円、中古住宅で約9.2〜11万円となります。
将来的なライフプランや家計の状況を考慮し、単に借入限度額だけでなく、毎月の返済額が家計に負担をかけない範囲で計画することが重要ということが分かります。
住宅ローンの借入額を決める際、借入期間と金利タイプを検討する必要があります。特に、借入額は一度決めてしまうと、途中で変更ができないため慎重に決める必要があります。
借入期間と金利タイプが借入額にどのように影響を与えるのかを確認しましょう。
借入期間が長くなるほど、月々の返済額は少なくなりますが、長期間に渡って返済をするため、元本の減りが遅くなります。期間が長くなる分、利息がかかることになり結果として総返済額は多くなります。そのため、月々の返済額と総返済額のバランスを考えながら借入期間を決める必要があります。
借入金額を4,000万円とした時の返済シミュレーションをしてみました。
<条件>金利:全期間固定1.5%
借入金額:4,000万円
返済方式:元利均等方式
借入期間 | 15年 | 25年 | 35年 |
毎月返済額 | 24万8,297円 | 15万9,975円 | 12万2,474円 |
総支払額 | 4,469万3,497円 | 4,799万2,359円 | 5,143万8,986円 |
この結果からも明らかなように、借入期間の長さによって、毎月返済額と総支払額には大きな違いが生まれます。借入期間が15年と35年を比較すると総支払額には700万円近くの差が発生しています。無理のない返済額を設定しつつも、できるだけ期間を短縮することがポイントだといえます。
金利タイプも住宅ローンの返済額に大きな影響を与えます。金利のタイプには、大きく2つのタイプがあります。年収600万円の方がどちらを選ぶべきかは、個々のリスク許容度や将来の収入見込みによります。変動金利は初期の返済負担を抑えたい方に向いており、固定金利は将来にわたって一定額を返済し続けたい方に適しています。
固定金利
借入時から完済時まで金利が変わらないタイプです。金利は高くなりますが、経済状況や景気に左右されないため、返済額が変わりません。返済の見通しが立てやすくなり、子どもの進学や老後の生活などライフイベントにも対応しやすくなります。
変動金利
6カ月ごとに金利が見直され、変動していくタイプです。元利均等方式を選んだ場合、5年ルールと125%ルールが適用される場合があります。5年ルールとは、家計の負担を減らすため、変動金利でも最初の5年間は返済額を一定にするというもの。また、125%ルールとは5年後の見直し時に借入金利が上昇していても、見直し前の返済額の1.25倍が上限となるというものです。
住宅ローンを選ぶ際に、複数の金融機関を比較することは非常に重要です。まずは金利の比較が基本となりますが、その他にも手数料、繰上げ返済の条件、取り扱うローン商品やサービスの種類、さらに審査の柔軟性なども考慮する必要があります。
年収600万円の方にとって、金利が低いだけでなく、自分に合った返済プランを提供してくれる金融機関を選ぶことが大切です。また、一部の金融機関では年収に応じた特別な融資条件やサービスを設けている場合もありますので、事前に情報収集をしっかりと行うと良いでしょう。
年収600万円の方が住宅ローンを検討する際、まず借入額を決める際の注意点について理解しておくことが重要です。返済負担率を年収の30-40%に抑えることを目安とし、無理のない範囲で借入額を設定しましょう。具体的には、年収600万円の場合、理想的な借入額は3,000〜4000万円程度とされています。この際、変動金利や固定金利の選択も重要です。変動金利の場合、金利変動のリスクを考慮した上で、余裕を持った返済計画を立てる必要があります。また、頭金を準備することで借入額を抑えることもできます。頭金を多く用意することによって、毎月の返済額を減らすことができ、生活費や予備費用にも余裕を持たせることができます。
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